Warning: count(): Parameter must be an array or an object that implements Countable in /home/shunkajyuku/shunkajyuku.com/public_html/archive.shunkajyuku.com/wp/wp-content/plugins/wordpress-ping-optimizer/cbnet-ping-optimizer.php on line 533
春霞塾 | 消え去る「なんちゃって英語」
15752
post-template-default,single,single-post,postid-15752,single-format-standard,ajax_fade,page_not_loaded,,paspartu_enabled,qode-theme-ver-10.0.1,qode-theme-shunkajyuku,wpb-js-composer js-comp-ver-5.5.4,vc_responsive
 

消え去る「なんちゃって英語」

a

消え去る「なんちゃって英語」

息子が「お母さん、相談がある」と尋ねました。「アオイが1歳になったから、早期英語学習をさせようかどうか迷っている。子どもは新しい言語を覚えるのがうまい。今だから始めておくべきじゃないかな。」

即断。「やめなさい」。

根拠があります。臨界期仮説というややこしい学説があります。小学校5年生くらいにその時期がやってくるというのが、外国人に日本語教師をしていた私の実感ですが、その時期を過ぎてしまうと、第2言語習得障害が急激に増すらしい。ほうほう、第2言語を学ぶのは困難になるのか。レネバーグという研究者が1967年に発表した古い学説です。ならば、英語を早期学習させるべきではないか。

違うんです。臨界期までは音声をまねることはとても上手なのですが、その時期にはその時期の、コドモのお仕事があります。生活の中で母語体系をきちんと徹底的に育まなければならない10年なのです。日本語と英語を同時に入れてしまったら???怖いことにバイリンガルどころか、セミリンガルになってしまいます。幼い頃来日した日系のブラジル人の子ども達の多くが、おしゃべりはできても語彙体系を持たず、抽象思考(メタ認知)ができない大人になります。第1言語こそが高度な思考を支えるのです。

 a

本題に入ります。英語学習には近道はありません!レネバーグは正しい!思春期以降は「第2言語習得障害が急激に増す」のは事実です。

元・東進ハイスクール英語講師澤井康佑さんは「文法を学び、語彙力をつけ、声を出して読み、じっくりと英文を読解するという正攻法の勉強を合理的にするしか、正しい学習法はないと言い切ります。同時通訳の大御所鳥飼久美子さんも、体系的な文法習得、語彙力の蓄積が必要だと力説しています。英文学者の斉藤兆史さんも教養ある英語を身につければ、「実用英語会話」という技能がいつか人工知能(AI)に取って代わられることはないのだと。AIは近い将来「実用英語会話」よりずっと高度な英語を駆使するでしょう。中途半端な英語力をつけたところでたいした値打ちはないのです。

さあ皆さん。英語、どうしますか。結局のところ若い人がHuman Resourceとして生き残るためにはこのやり方しかないように思います。日本語を育て、同時に英語学習に苦しむ。思考と感情の道具である言語を使いこなすことには近道はありません。誰も予想できない近未来が、ひたひたとあなたのすぐそばに。その時、AIではなくあなたに活躍していて欲しい。炎をくぐりぬけるヴィーナスよ、あなたの世界は新しくなるのです。