18 5月 第3の道をさぐる
田村かすみ塾長、映画に出ます!
元アイドルで、今一番勢いがあるといわれる女優さんの初主演映画が2018年秋公開。この話を聞いたのは、昨年の5月でした。地元の地方創生映画かも知れないと思ったら…、おっと!キャストオーディションには950人が参加したそうです。「教員退職記念!自分が決めさえすれ、何者にでもなれる」ことを確認するために申し込み、なんと最終30人に選出されたのでした。ワークショップに参加し演技の腕を磨き、エキストラとして11月に収録を終え、エンドロールに私の名前が出ることも確認し、よっしゃ後は公開を待つのみ。大杉漣さんの遺作となることも期待のひとつ。私は大女優になるのだわぁ…。
と思ってたら…
4番目のキャストである俳優が事件を起こしました。ネットではお蔵入りの声も上がりました。監督が納得のいく画面を追求するため、わざわざ西条に赴き、追加撮影を何度かしていたことも知っていました。その後、その俳優は不起訴処分となります。このまま公開するのかも知れない…。第2の道で行くんだ。
しかし、第3の方法を採ることが決まりました。一部撮り直しです。
映画製作委員会曰く「本作は公益性の高いプロジェクトです、広島県、東広島市の地方創生に貢献し、日本酒の振興を後押しする作品として、相応しい姿勢で臨まなくてはなりません。このたび、関係者の理解を得て、代用を起用し、一部の再撮影をする決断をいたしました。この作品がその名にふさわしく、綺麗な形で成就するために、今一度皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。」
私が出演したシーンはほぼ全員の俳優、数百人の参加者が集合し、大宴会場で大量の大道具小道具が集積された、映画の中でもとても重要な場面。そのシーンを再撮影をするのです。このエネルギーを、このコストを掛け、多くの関係者の了解を取りつけ、映画は「綺麗な形を成就させる」ことが決断されたのです。
でも、祝賀会での壇上鏡割りシーンさえ撮り直しできれば、ストーリーをつなげることもできるかもしれません。撮影したシーンを全て見直し、代役が置換機能を果たせば、最小の傷で「綺麗な形」にはなります。
考え抜く。一番大事なことは何?捨てられるのは何?オルタナティブはないか。製作委員会からの依頼で、監督の折れないココロ「レジリエンス」をはっきりこの目で見ました。「社会的ディスアドバンテージや、己に不利な状況において、そういった状況に自身のライフタスクを適応させる能力」は、春霞塾ハラールプロジェクトの合い言葉です。私も塾生も、決めたことはやり抜こう。できないことを言い訳するのはかっこわるい。
わたくし田村かすみ、6月16日に撮影に参加します。「酒造会社社長の妻。にこやかな笑顔で談笑する」役です。大女優への階段を駆け上がって参ります。
公開オーディション。与えられた役柄をその場で演じられるか、その度胸を試されました。