30 6月 誰が「エンドポイント」を決めるのか
首都圏の大学生の就職活動をサポートしています。中学時代からご縁のある青年で、LINE電話とメールで自己アピールや志望動機を2人で練り上げることにしました。
大学時代はソフトボールと演劇の幹部として活躍し、ゼミではヘルスケアを学んだ、礼儀正しい青年です。問題発見能力に優れ、チームで問題解決に取り組んだ密度の濃い大学時代をお過ごしになりました。おれおれリーダーではなく、先輩同級生後輩と協働できる人物です。責任感が強いため、問題を一人で抱え込む傾向を改善したいと、自己分析も完璧でした。LINE電話で長時間セッションをするのですが、気づきや形になった内容はいわれるまでもなくメモを取り、どんどん自分の力にしていらっしゃるのが看てとれます。
彼が教えてくれた印象深い医学薬学の考え方があります。「エンドポイント」には真と見せかけがある。エンドポイントとは治療行為の有効性を示すための評価項目のこと。身近な例でこの概念を置き替えます。このお薬でこの効果が出ました。そのお薬と治療法を使えば、なるほど設定された数字は出ます。では、それは患者さんが求める治療なのでしょうか。個別的で主観的なゴールは決めにくい。延命が望みかもしれないし、QOL(クオリティ オブ ライフ)なのかもしれない。データとして提示できる数値を出せばいいわけでない。エンドポイントは患者さんとご家族が決めていくものなのだと私は感じます。
彼と出会って半月が経ちます。結果が出ません。論理的思考はできるけど、人としてのスキがなく丸すぎるとコメントされるそうです。言葉にできなくても、ガッツがあればいいと思う企業では、彼の思慮深さ、上品さでは何かが「足らない」のかもしれません。
誰がエンドポイントを決めるのですか。それは企業でも大学ではないことは言うまでもありません。ご縁を決めるのは神様かもしれませんが、見つけ出すのはあなたに決まっています!エンドポイント君、探しましょう。伴走を続けます!
